新しい紫外線治療器の導入
当院は、光線療法に力を入れています
光線療法とは、特定の波長を持った紫外線を使用して、乾癬、重症アトピー性皮膚炎、白斑、円形脱毛症などの難治性の皮膚病を治療する方法です。
最近、当院に新しい光線療法の治療器が加わりました。
ダブリン社の全身型ナローバンドUVB(nUVB、311nm波長の紫外線)、7シリーズです
下写真:師長の後ろ姿です こんな感じで器械の前に立ちます。
nUVBを照射中
2人のドクターの後ろに7シリーズが・・・。
YouTube: Dermatologists Believe In Daavlin
なんと当院のが日本初導入なんです もちろん、保険診療ができる治療器です
昔ダブリン社(米国の会社)のホームページ(http://www.daavlin.com/) でこの治療器をみて一目惚れしました。
そして、日本で薬事承認を得て販売してほしいと同社に持ちかけました。
すると、直ちに日本の知り合いと相談すると連絡がきました。それが、当時米国一のレーザー会社であったキャンデラの日本支社でした。
そして今年、ようやく承認が取れて日本での販売となりました
3面鏡式で、折り畳んだときの大きさは全身型では世界最小クラスでしょう。この薄さをみてください
それでいて照射率は、5mW/cm2以上です
以前福井赤十字病院で使っていたnUVB治療器のデルマレイ200が2.5mW/cm2で、その最上級機種のデルマレイ800が3mW/cm2ですから、かなりの高出力ですね
さらに立位式で、ベッドの使用も必要なく、スペースを取りません
その他色々と利点があり、おそらくは、今後クリニックを中心に日本のnUVB市場を席巻するのではないかと予想しています
そしてさらに、新しい紫外線治療のデモ器が一昨日にきました
前々から気になっていたターゲット型(病変部のみ限局的に治療できるタイプ)のnUVB治療器TARNAB(ターナブ)です。
こいつは何が凄いかというと、超小型にもかかわらず照射率20mW/cm2以上の出力を発揮します
日本で開発された世界初の平面発光型ランプをもつnUVB治療器です。純国産です
当院には、対抗機種としてVTRACという308波長の紫外線エキシマライト(以下エキシマ)のターゲット型治療器がありますが、これとの比較は非常に興味深いですね
右がTARNAB、左がVTRACの照射面です。面積的にはほぼ互角ですね。
311nm波長のnUVBと308nm波長のエキシマとは、意外に優位差はそれほどなく、疾患によって、あるいは個人によって効果に差があるようですね
エキシマが効かなくても、nUVBが効く方もおられますし、またその逆もあります
それともう1つの利点は、311nm波長のnUVBは、エキシマに比べて非常に色素沈着が少ないということです。
これは、顔面の白斑など露出部の疾患の治療には大きなアドバンテージとなりますね
エキシマが今一だった方や色素沈着がこわくて使えなかった方に、このTARNABを試していきたいと思っています。
非常に楽しみですね
これからも当院では、常に最新の治療機器を導入して、最先端の皮膚科診療を提供しようと思っています
(院長)
*7シリーズは、未承認の時期に個人輸入で数台日本に入って来ていたようですが、承認後のもの(要するに健康保険が使えるもの)は、今のところ当院のものだけです。