アトピー性皮膚炎診療の最前線
医学雑誌MB Dermaに、執筆依頼を受けていた
デュピルマブの論文が掲載されました
これは、皮膚科専門医向けの医学雑誌で、
今回はアトピー性皮膚炎治療の特集号でした。
アトピー性皮膚炎のアトピー(Atopy)は、
ギリシャ語のAtopos「奇妙な」に由来しており、
長年原因不明の皮膚病とされてきました。
その病態が解明されてきたのは、ごく最近のことです(下図)
(アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021より)
上図のように、色々な細胞や物質が複雑に絡み合って
アトピー性皮膚炎の病状が形成されていきます
こう言った物質の中で、特に注目されてきたのが、
IL-4とIL-13というサイトカインです。
こいつがどうやらアトピーの病態の主役らしいということで
デュピルマブ(デュピクセント®)が開発されました
デュピルマブは、IL-4とIL-13の作用を抑制する薬剤です。
その効果は絶大で、
どんなに酷いアトピーでも必ず良くなります
そして、一時的な結膜炎ぐらいで、
副作用はほとんどありません。
また他の薬剤と違って、長期に使えば使うほど
効果が高くなる特徴があります。
ただ、その効果を最大限に発揮するためには、
色々とコツがあります
そういったことを論文にしたわけです
その他にも、革新的新薬が続々と導入され、
アトピー性皮膚炎の治療は、
いま一番ホットな分野になっています
(院長)