当院の
尋常性白斑治療は、治療機器の新規導入が次々に行われ、ここ数年で格段の進歩を遂げています
しかし、ホームページの改訂が進んでいないため、暫時ここで紹介したいと思います。
まず、尋常性白斑(じんじょうせいはくはん)とは何でしょうか?
尋常性白斑は、下写真のように皮膚のメラニンを作る細胞(色素細胞)が減少・消失して皮膚が白くなる後天性の病気です。
英語で、Vitiligo(ヴィティライゴ)といいます。
治療方法には、①外用療法、②紫外線療法、③レーザー治療、④植皮術があります。
[①外用療法]
塩化カプロニウム、ステロイド、タクロリムス、ビタミンD3などの外用剤があります。しかし、外用剤のみで治癒するケースは稀であり、次の紫外線療法を併用することがほとんどです。
[②紫外線療法]
紫外線療法は、この疾患に対して最も効果的な治療法です。使用する紫外線には2種類あり、波長が308nmのエキシマライトと、311nmのナローバンドUVBです。
(ナローバンドUVB)
当院では、
全身照射型ナローバンドUVBとして
ダブリン3シリーズを所有しています。
TL-01型
ナローバンドUVB電球
が48本
と、国内最強スペックを誇ります。
全身に広範囲に広がる白斑には、最も効果的です。
当院では半身照射型の
7シリーズも所有していますが、同じ照射量でも3シリーズの方が効果は高いです。おそらく、360度全方位からの高輝度照射ためと考えられます。
(エキシマライト)
もう一つの紫外線療法はエキシマライトです。
当院では現在、2台のエキシマライト治療器が稼働しています。ヴィトラックとエキシス308です。
ヴィトラックは、150mW/cm2という国内最強の輝度を持ち、最も効果が高い紫外線治療器とされています。
エキシス308は、100mW/cm2という2番目に強い輝度を持ちながら、ヴィトラックの欠点である紅斑と色素沈着が出にくいという利点があります。
この
エキシス308の
石英アプリケーター(トリートメントチップ)は、異なる直径のものが3種類あり、口腔粘膜、目や耳介周囲、被髪部などの従来のものでは照射しずらい場所に有効です。
顔面などの限局した病変や、ナローバンドUVBでは効果の出にくい部位の治療に使います。
ナローバンドUVBで効果がなくても、エキシマライトが有効となるケースがあります。また、その逆もあります。
さらに難治例では、エキシマライトとナローバンドUVBの同時照射で効果が得られるものもあります。
[③レーザー治療]
炭酸ガスフラクショナルレーザー(CO2RE:コア)と
エキシマライトを交互に照射する治療方法です。紫外線療法単独では効果が乏しい症例に行います。
下動画のように、紫外線療法による毛包膨大部からのメラノサイトの表皮移行を、フラクショナラルレーザーが増強させるようです。
[④植皮術]
さらに、以上の治療法で効果がみられない症例には、希望があれば1mmミニ植皮を行っています。
この植皮術の利点は、他の植皮術と違って採皮部(皮膚を採取するところ)の傷が残らず、治療後も日常生活の制限が少ないことです。
さらに、この植皮術に
エキシマライトやフラクショナルレーザーを組み合わせると、治療成績がグーンとあがります
上記①〜④の治療法は、しばしば組み合わせて行います。
様々な白斑患者さんにベストな
治療法を提供するため、日々努力しています
(院長)