第111回日本皮膚科学会総会 その2
今回の学会でまず良かったことは、iPhone用の学会アプリが製作されていたことです。
これがなかなかのすぐれもので、学会のスケジュールから抄録まですべてiPhoneで見れました
大きなプログラム冊子を持ち歩く必要もなく大変便利でしたね
年に1回の総会なので、できるだけ多くの演題を聴こうということで、当院師長と二手に別れて演題を聴きました
次の講演会場に向かう途中の会場内は、大混雑 みんないい席を取ろうと一目散です
私は、アトピー性皮膚炎(以下アトピー)と乾癬を主に聴講しました。
アトピーは、長年の研究の成果が次々と開花してきているようですね。
経皮感作という病因論からのアトピーの発症予防、バリア機能の研究からの新薬の開発、TARC(ターク)というバイオマーカーを使用しての治療などなど・・・・
アトピーの免疫に関する講演を聴きにいくと、よく椛島先生の発表に出会いました。これだけの発表の準備をするのって大変ですよね
椛島先生とは発表後に少し話しましたが、人気ものなのでなかなかゆっくりお話できなかったですね
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乾癬は生物学的製剤の出現で、今まで治療不可能だった重症患者さんの治療に大変革をもたらしました。
生物学的製剤レミケードのメーカー田辺三菱のブースは、企業展示場の入り口に陣取ってかなり気合いが入っていましたねそのブースで写真を1枚
(写真は左から、長浜赤十字病院の谷崎先生、師長、私、福井赤十字病院の中川先生)
乾癬は生物学的製剤が主に話題でしたが、従来からの外用療法、光線療法、ネオーラルなどの内服治療の知識もアップデイトできて良かったです
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レーザー治療の新しい話題は、フラクショナルレーザーでした。
当院は、キャンデラ社の炭酸ガス・フラクショナルレーザーCO2RE(コア)を所有しています(写真:キャンデラ社のブース、写真の一番手前がCO2RE(コア))。
師長は、DEKA社の炭酸ガス・フラクショナルレーザーのマドンナリフト(眼瞼下垂治療)の講演がすごかったと言っていました。
マドンナがこの治療を受けたらしいとのことですが、真偽はどうなんでしょうか?
で、レーザーでご高名な某先生にお尋ねしたところ、他社の機械ですでに行っているらしく、炭酸ガス・フラクショナルレーザーであればどれも結果は同じだろうということでしたが・・・
光線療法では、それほど新しい話題はなかったですね。エキシマライト(以下エキシマ)が相変わらず話題の中心でした。
企業ブースに、こんなかわいいナローバンドUVBのハンディータイプのものが展示されていました
エキシマのハンディータイプもでたので、やや影が薄いですね
ただ、エキシマの効果については、やや大げさに報告されているような気がしました。
特に、乾癬への効果に関していうと少し失望しています。案外このナローバンドUVB、高輝度ですし、エキシマといい勝負をするかもしれません
ほとんど聴講していたので、知り合いに合うことはあまりありませんでしたが、懇親会で何人かとお話できました。
京都大学皮膚科勤務時代に一緒だった中村先生は、最近産業医大皮膚科の教授に就任されました
疲れましたが、充実した学会でした
学んできたことを早速外来に反映するべく努力したいと思います。
(院長)
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