皮膚癌は侮れない!
先週、30才代の方の黒子(ほくろ)の手術(切除術)をしました。
写真はこれです。鼻翼外側にほくろ? 直径2mm程度なんです
なぜレーザーでなく手術(切除)を選択したかというと、ダーモスコピー検査の所見がこれだったからです
専門医の方はおわかりですよね。multiple blue-gray globules + arborizing vesselsなどから基底細胞癌が強く疑われます
この若さでこの大きさ、見逃しそう
マージンを1mm以上とって切除しました。病理検査はやはり基底細胞癌でした。
表皮下面からbuddingしている腫瘍細胞がみてとれます。cleftもありますね。
手術方法は、Open treatment + purse-string suture、いわゆるくり抜き巾着術です。
この手術法は、5mm以下の黒子などの腫瘍には、レーザー並(以上?)にきれいに仕上がり、術後処置も簡単で、良性なら再発の心配もなく、病理検査もでき、悪性の再発も発見し易いなど良いことずくめです
この治療法は、いつかまとめて報告しますね
とにかく黒子(のようなできもの)を侮ってはいけません
検査もせずに安易にレーザーなんかで、ジャーと取ってもらったらダメですよ
顔に何か黒子のようできものができて心配な方は、皮膚科専門医に相談しましょう
(院長)
この患者さんは、病理検査で完全に切除されているのを確認しました。恐らく再発はないでしょう。また、ブログ掲載に快く承諾いただきまして誠に感謝しております。
当患者さんのその後(手術後4ヶ月)の経過です。再発はありません。術創は少し赤いですが、この程度であれば1年後は全くわからなくなりますね