「モーラス」かぶれ
連休明から怒濤の外来が続いていましたが、今日は一休みです日中は、陽射しが強かったですね〜
ところで最近紫外線がつよくなり、「モーラス」などのケトプロフェン含有の湿布剤によるかぶれの患者さんが急増してきました。詳しくは、以前のブログ(http://clinic-n.mitelog.jp/blog/cat8099790/ )を参照してください。
下写真の方は、足からはじまり全身に皮疹が広がりました足背から足首かけて長方形に湿布のかぶれがあるでしょう。
この湿布かぶれが厄介なのは、湿布を貼って数ヶ月以上たってから皮疹が出現することがあるという点です。
強い紫外線をあびて初めて出現する光接触性皮膚炎という特殊なかぶれのため、肌を露出する時期まで皮疹が出現しないからなんです。ですから、みなさん湿布を貼ったという記憶がないんです
多くの患者さんが、「湿布など何も貼っていない!」と否定され、さらには「原因は何でしょうか?」と尋ねられるので困りますときには「食べ物でしょうか?」という質問もでも、こんなに四角くでていれば・・・
もっとも厄介なのは、半年以上あとに出てきたときです。形が不定形になっていて湿布かぶれと判断できないんです下写真は、上写真の患者さんの1年後の再燃の皮疹です。もう湿布かぶれかどうかわからないでしょう
ですから、これからの時期の露出部の湿疹は、モーラスなどによる湿布かぶれを絶えず念頭において診察をしています
では、下写真はどうでしょうか? 恐らくは、点線部分まで靴か靴下で覆われていて、日が当たっているところだけ皮疹が出てきたと思われます。
この患者さんは、どうでしょうか?
点線のように見えてきませんか?
皮膚科医って、想像力が必要なんですよ
露出部に突然変な皮疹が出現したときは、モーラスなどの湿布によるかぶれかもしれません。結構治りにくい皮疹ですので皮膚科専門医を受診しましょう
(院長)
*多くの患者さんが、家族などに処方された湿布を勝手に使用して起こっています。他人に処方された薬剤は安易に使用しないことが大切です。
*スプロフェン(非ステロイド軟膏に含有)、オキシベンゾンやオクトクリレン(サンスクリーンに含有の紫外線吸収剤)などとケトプロフェンは交差反応があり、モーラスなどにかぶれた方は、これらの使用で皮疹が出現することがあります。特にサンスクリーンの使用には注意が必要ですね。