尋常性白斑の治療
今回は、当院での尋常性白斑(以下白斑)の治療をご紹介します
白斑は、下写真のようにメラニンを作る細胞が消失して皮膚が斑状に白くなる病気です。
(日本皮膚科学会ホームページより引用)
尋常性白斑の詳しい病態は、日本皮膚科学会ホームページを参照してください。(http://www.dermatol.or.jp/qa/qa20/index.html )
当院での主な白斑治療は、①外用療法と②光線療法(Nb-UVB, エキシマライト)です。①②を1年以上行っても変化がなく、かつ進行性でない白斑には、③植皮術を行います。
①外用療法:ぬり薬ですね。発症早期に治療を開始すれば、これのみで改善する方がかなりおられます
2012年7月5日に受診された患者さんです。まずは外用のみで治療開始。
2012年9月25日には、外用のみで急速に改善。こんな方も結構おられるんですよね
外用療法も何を何処にどうぬるかなどで、ちょっとしたテクニックがあるのです
②光線療法:外用治療のみでは改善しない方に行います。基本的には、広範囲の白斑はナローナンドUVB(Nb-UVB)にて治療し、範囲が狭いものはエキシマライトを使用します。週1〜2回の通院が必要です。
ナローバンドUVB(311nm波長の紫外線)
エキシマライト(308nm波長の紫外線)
2種類の波長を用いることで治療選択枝が増え、白斑の治療成績が向上します
2010/10/20。エキシマライト照射開始。
2011/3/3。白斑はかなり改善しましたが、エキシマライトの欠点はこの色素沈着ですね
2012/2/10。1年後には、色素沈着も消失しています
この2年間、治療実績を積みながら改良を加えて、現在は9割程度の生着率になっています
2012年4月19日の写真。白斑の下側を植皮(点状の褐色斑)+エキシマライト照射
2012年9月1日の写真。下側の白斑はほぼ消失したため、次に上側白斑に植皮しました。
2012年10月1日。エキシマライト照射を続け、上側白斑もかなり色素がでてきました。
もう、ここまで白斑治療をやってるところは福井県ではありません。というか、体力的にはもう限界なんですけどね
この植皮術は、ものすごく体力を消耗しますので
白斑は非常に治すのが難しい疾患ですが、ここ10年で治療法が格段に進歩してきています。
放置すればするほど治りにくくなりますので、早めに皮膚科専門医を受診されることお勧めします。
(院長)
植皮術は、当院で1年以上治療を続けてこられた方のみに厚意で行っております。手技料はいただいておりません。
エキシマライトは、敦賀に福井県で2台目が導入されましたので、嶺南の方はそちらをご紹介しています。