にきび治療の最大の目的は、萎縮性瘢痕(いしゅくせいはんこん)を残さないようにすることです。
萎縮性瘢痕とは、下写真のような
にきび痕です
萎縮性瘢痕は、今の医学では
治すことが極めて難しい
赤にきび(炎症を起こしている赤いにきび)は、3ヶ月放置すると8.2%が萎縮性瘢痕になるというデータがあります(1)
要するに、12個の
赤にきびのうち1個が
永久に治らない痕になるということです
その繰り返しで、写真のような状態になって行くのです。
出来てしまったら最後治せません。よって予防が最も大切です。
ですから、赤にきびが出てくる限り治療を継続する必要があります。
二つ目の目的は、 耐性菌の発生を抑制することです。
耐性菌とは、抗生物質が効かなくなった菌です。
世界的に、抗生物質の乱用による耐性菌の発生が問題になっています。
この菌が発生すると、
病気が難治化します
耐性菌の発生を抑えるために、以下の薬剤を積極的に使用することが推奨されています。
ただし、未だに抗生物質に頼りきった治療が横行しているのが現状です。
以上の薬剤を正しく使えば(正しく使えてない方が多いんですが・・)、
耐性菌も発生せず、効果も絶大です
以上の2つが、にきび治療の目的です。
当院で、以上の薬剤を使って長期の治療をすすめている理由が、ご理解いただけたでしょうか?
瘢痕のない、綺麗なお肌を保つためにできるかぎり長く治療を続けましょう
(参考文献)
(1) Journal of the American Academy of Dermatology, 2008; 58:603-608
(院長)
*にきび痕でも、Goodman分類のgrade 1( macular type)は治すことができます。これは、赤いにきび痕で炎症がまだくすぶっている状態です。やがて炎症が治まり凹んでくるgrade2以上の萎縮性瘢痕は治療困難となります。