2016年9月25日 (日)

第3回 B-POT フォーラム

本日は、第3回 B-POT フォーラムに行ってきました。
 
これは、全国のにきび治療を専門にしている先生方が20名ほど集まって、講演および討論を通じて情報を共有していく会です。
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まあ、にきび治療に特化したマニアックな勉強会みたいなものですねcoldsweats01
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今やにきび治療に於いて、耐性菌出現を考慮して過酸化ベンゾイル(商品名:ベピオ、デュアック)やアダパレン(商品名:ディフェリン)を積極的に使用していくことは常識となっています。
 
最近の話題は、如何にそれらの薬剤の副作用を抑えて治療効果を上げていくかという点に集約されてきているようです。
 
当院で最も苦労するのは、二十歳以上の女性の、特に顔下半分に見られるにきびですbearing
 
長年のメイクに伴うバリア機能が低下した敏感肌に、如何にこれらの刺激性が強い薬剤を使用していくか、テクニックを要するところですwink
 
今回は、皆さんのテクニックが聞けて非常に参考になりましたhappy02来月の学会では、私のテクニック?を公開する予定ですcoldsweats01
 
学会講演のポスター:新時代のざ瘡治療戦略
  
ところで、帰りの東京駅で新型NSXが展示されているのを見ましたよ。格好いいなぁhappy02
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(院長)
 

2016年9月16日 (金)

瘢痕予防のためのざ瘡(にきび)治療

前回のブログで、にきび治療の最大の目的は瘢痕(はんこん:治療困難なにきび跡)の予防であると述べましたhappy01
 
今回は、下写真の患者さんを例に、当院のにきび治療について具体的に述べたいと思いますhappy01
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  (治療前)            (治療半年後)
 
⑴ 急性炎症期 その1(治療開始から1ヶ月まで)
この患者さんは、最重症のにきびです。このままでは、酷い瘢痕を残しそうですshock
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この時期の治療で最も大切なことは、できるだけ早く炎症性ざ瘡(赤く腫れたにきび)を治すことです。ぐずぐずしていると瘢痕が発生してしまいますshock 
 
急性炎症期に使用して最も速攻性があるのは、デュアックという薬剤ですgood

 

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国内第Ⅲ相比較試験で、塗布2週間で62.5%、12週間で88%炎症性ざ瘡が減少したと報告されています。最速ですdash
 
この患者さんも、抗生剤内服とデュアック外用後2〜3週間で、急速に炎症がおさまってきました(下写真)。
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⑵ 急性炎症期 その2(治療1〜3ヶ月)
この時期からすでに、維持療法に向けてディフェリンを開始します。
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ディフェリンは、にきびの元である面ぽうの改善と、この時期から気になり始める赤いにきび跡であるPost inflammtory erythema(PIE)の改善に最もすぐれた薬剤です
 
 
下写真は治療2.5ヶ月後のものですが、デュアックとディフェリンの併用療法の効果は絶大sign03で、新生のにきびは急速に減少してきました。
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⑶ 維持期
治療3〜4ヶ月もすると新しいにきびはほとんど出なくなってきます。
 
耐性菌の問題を考慮し、そろそろデュアックを中止してディフェリンのみによる維持療法(良い状態を維持させる治療)の開始です。
 
治療5ヶ月目(下写真)でもまだ赤いにきび跡(PIE)が残っていますね。これを治すためにもディフェリンを塗り続けましょうhappy02PIEの放置は、瘢痕につながりますからshock
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この患者さんには、PIEを早く消退させるためにVビームというダイレーザーshineを照射しました。
 
Vビームは、この時期のPIEに最も効果があります。
 
写真はレーザー2回照射後です。かなりPIEが取れましたねwink何とか、瘢痕肌は免れましたhappy02
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Vビームのにきび跡治療の過去のブログ:にきび跡治療のあれこれ
 
この患者さんは、さらにきれいな肌を目指して初診から半年以上経過した現在も治療を継続(維持療法)されています。
 
以上のように、にきび治療は長期にかかるものです。その結果が肌にでます。
 
瘢痕で将来悩まないように、長期に計画的に治療しましょうsign01
 
(注1)以上は、中等症以上のにきびに対する当院の標準的な治療です。ただし、全てのにきび患者さんに当てはまるものではありません。
 
(追加)
当患者さんの最近の写真です(9月中旬)
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(院長)
 
*写真掲載を快く承諾いただいた患者様に感謝いたします。
*レーザー治療は真面目に維持療法を続けらて、かつPIEの状態であると判断した方にのみ行っています。懇意で行っている治療ですので、患者さんの希望で行うことはありません。
 

2016年9月14日 (水)

ざ瘡(にきび)治療の目的

にきび治療の最大の目的は、瘢痕(はんこん)を残さずにきれいに治すということです。
 
瘢痕とは、下写真のようなにきび跡のことです。瘢痕を確実に治す方法は、現在のところありません。ですから予防が大切ですsign01(以下に説明)
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写真の枠Bのような重症の瘢痕になる方は少ないですが、枠A(下写真)のような小さな瘢痕(ミニスカー)は日常的にみられます。
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発症から3ヶ月で、にきびの10%程度が瘢痕(治らないにきび跡)を起こしているという報告がありますshock
 
さらに最近の報告によると、にきびの外来患者さんの90.8%が既にミニスカーを持っているということですcoldsweats02
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にきびが少し良くなるとしばらく受診せず、悪化してから受診される方が結構おられますが、そういった方々は年々瘢痕が増えていますshockshock
 
一度にきびが治っても、瘢痕予防のために良い状態を維持する必要があります。これを維持療法といい、新しいガイドラインでもこれを強く推奨しています。
 
にきびは慢性炎症性疾患であり、繰り返し出現してきますが、後に瘢痕で悩まないように根気良く治療を継続する必要がありますhappy01
 
(院長)
 
*にきび跡には、まだ炎症が燻っている赤いにきび跡(post-inflammatory  erythema)と、前述した瘢痕はがあります。前者は根気良い維持療法やダイレーザーなどで治療可能ですが、後者の治療はかなり難しい。現在のところは、完治はほぼ不可能と考えてよいでしょう。
 
 

2016年8月31日 (水)

新時代のざ瘡(ニキビ)治療戦略

8月は、ダイビングのために講演等のお仕事はお休みなんですが、9月からはぼちぼちと予定が入ってきていますcoldsweats01
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 (越前海岸 2016年8月21日)
夏もそろそろ終わりで寂しいかぎりですweep
 
本日、10月にある中部支部学術大会の講演ポスターが出来上がってきました。
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今年、ざ瘡治療のガイドラインが改訂されました。大きな改良点は、治療を急性炎症期(治療開始3ヶ月まで)維持期に分けたことです。
 
この急性炎症期で、現在のところ最も即効性があると考えられているのがデュアック(過酸化ベンゾイル+クリンダマイシン)という薬剤ですgood
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この薬剤を使って速やかににきびを改善させ、如何に維持期につなげるかが医師の腕の見せ所です。
 
そのテクニックと、副作用回避方法などについて論じたいと考えています。
 
ガイドラインを尊守して治療することは、かなりの知識とテクニックが必要です。
 
ちなみに、新ガイドラインのアルゴリズムはこちらです。すごいでしょcoldsweats01
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(BPO:過酸化ベンゾイル、CLDM:クリンダマイシン)
  
昔のように抗生物質だけを使用していた方が楽なのですが、我々専門医は、将来の耐性菌の問題を見据えて、できる限り抗生物質の使用量を減らす努力が必要です。
 
(院長)
 
9月の土曜日午前診の応援医師を以下のように訂正します。
 
9月 3日 八木医師要石医師
9月10日 応援なし
9月17日 要石医師八木医師
9月24日 藤田医師
 
 
皮膚科専門医は、ガイドラインを尊守してアダパレン(商品名ディフェリン)やBPO(商品名デュアック、ベピオ)を積極的に使用していますが、にきびに抗生物質の内服外用を単剤使用しているのはほとんどが他科医であり、その量は皮膚科医の10倍以上というデータがあります。今後は、ガイドラインを一般医にまで浸透させる必要がありますね。
 
 

2016年8月29日 (月)

9月土曜日の応援医師

土曜日の午前診は、応援医師による2診体制で行っています。
 
9月の土曜日午前診の応援医師が決定しましたので掲示します。
 
9月 3日 八木医師要石医師
9月10日 応援なし
9月17日 要石医師八木医師
9月24日 藤田医師
(院長)
 

2016年8月15日 (月)

越前海岸ダイビング 2016

ここ数日は、暑かったですね〜sun私は、越前海岸でダイビングをしていましたmist
 
いつも潜る場所は、米ノ壁石浜(かぶしはま)です(*)
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師長と私は、NAUIインストラクターとして、この海を1,000本以上も潜ってきました。 
 
今は専ら、知り合いに頼まれてガイドをしたり、たまにライセンス発行をする程度ですけどねcoldsweats01
 
今回は、ガイドの他に、13歳の男の子の体験ダイビングもしてきましたよ。楽しそうでしょhappy01
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しかし、何度潜っても飽きない海ですね。ビーチダイビングでこれだけ魚影の濃いところも珍しいでしょうhappy01
 
動画は、今回のビーチダイビングのものですが、魚影はボートダイビング並みですwink


YouTube: 越前海岸 壁石岩 2016. 8. 14 by clinic-N

 

(院長)

*ダイビングポイント名は、壁石岩(かぶしいわ)です。
  

2016年8月 8日 (月)

第34回 日本美容皮膚科学会

先週末は、京王プラザホテル東京で開催された第34回日本美容皮膚科学会に出席してきました。
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今回の目的は、尋常性ざ瘡(にきび)治療についての新しい情報を得ることと、美容皮膚科レーザー指導専門医研修会に参加することです。
 
美容治療のその他の項目には目もくれず、ただひたすらにきび治療を聴講しました。
 
昨日だけでも、にきび治療の講演を6時間以上も聴講しました。疲れましたが、大変勉強になりましたgood
 
今、書き取ったノートをまとめているところです。内容については、追い追いこのブログで紹介していきたいと思いますwink
 
もう一つの目的は、美容皮膚科レーザー指導専門医の講習を受けることです。
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3つの講演がありましたが、特に1つ目の小児のあざ治療の講演は大変勉強になりました。現在当院では、小児のあざ治療に力を入れていますのでhappy02
  
学会に出席するとは、勉強しに行くことなんです。まだ教科書にも載っていない最先端の知見を手に入れることができます。
 
今学会で学んだことを、明日からの診療で患者さんに還元したいと思いますhappy01

2016年8月 1日 (月)

8月の土曜午前診療の応援医師

土曜日の午前診は、赤十字病院hospitalからの応援医師による2診体制で行っています。
 
8月の土曜日午前診の応援医師が決定しましたので掲示します。
 
8月 6日 八木医師
8月13日 休診
8月20日 要石医師
8月27日 藤田医師
 
 
ところで、昨日はものすごく暑かったですねsunわたしは、越前海岸へダイビングに行ってきました。べた凪で、透明度も15m位と中々快適な海況でしたよgood
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上写真は、朝8時頃のものですが、昼には海水浴客でいっぱいになりましたcoldsweats02
 
意外に海で起こる皮膚疾患は多いです。過度の日焼けや、外傷、虫刺され、水中生物による皮膚炎等々。
 
今週は、海に関連した皮膚炎の患者さんが増えそう。
 
ダイビングの過去のブログスキューバダイビング
 
(院長)
 

2016年7月18日 (月)

とびひ(伝染性膿痂疹、でんせんせいのうかしん)急増中

蒸し暑い季節cloudrainですね〜。汗疹(あせも)やとびひの患者さんが急増しています。
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特にとびひ(伝染性膿痂疹)の患者さんが多いですね。火事が飛び火するように次々に広がって行くので「とびひ」と呼ばれます。
 
下写真のように痂皮(かさぶた)水庖が形成されるのが特徴です。
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湿疹や外傷部分に繁殖した細菌が、毒素(表皮剥奪毒素など)を産生して始まります。原因菌は、黄色ブドウ球菌がほとんどで、A群溶連菌によることもあります。
 
詳しくは、過去のブログを参照してください。伝染性膿痂疹(とびひ)
 
治療の主体は、抗生剤の内服、外用ですが、泡立てた石鹸で患部を綺麗に洗うなどのスキンケア指導も大切です。治療がうまくいけば3〜5日くらいで改善しますgood
 
これで治療が終了したわけではなく、細菌繁殖の原因となった湿疹や虫刺され、外傷などの治療も続けて行わないととびひを繰り返すことになりますshock
 
 
よくある質問
 
①プールに入ってもよいか?
 
『かきむしったところの滲出液、水疱内容などで次々にうつります。プールの水ではうつりませんが、触れることで症状を悪化させたり、ほかの人にうつす恐れがありますので、プールや水泳は治るまで禁止して下さい。』(日本臨床皮膚科医会、日本小児皮膚科学会の統一見解)
 
②幼稚園や学校に行ってもよいか?
 
『病変が広範囲の場合や全身症状のある場合は学校を休んでの治療を必要とすることがありますが、病変部を外用処置して、きちんと覆ってあれば、学校を休む必要はありません。』(日本臨床皮膚科医会、日本小児皮膚科学会、日本皮膚科学会、日本小児感染症学会の統一見解)
 
(院長)
 

2016年7月 8日 (金)

毛虫皮膚炎急増中

今年は、予想に反して毛虫皮膚炎の患者さんが非常に少なかったのですが、ここ1、2週間で急増してきました。
 
特にチャドクガの幼虫である毛虫(下写真)による被害がこの時期多いです。
Img_5320(Dr.夏秋の臨床図鑑 虫と皮膚炎より引用) 
 
下写真は、先日来られた患者さんのものですが、腕だけでなく体幹にも皮疹が広がっていました。ものすごく痒そうshock
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毛虫皮膚炎の診断や治療に関しては、過去のブログを参照してくだい。
過去のブログ:毛虫皮膚炎
 
庭木の手入れをした後に、腕や首にブツブツ(丘疹)が出てきたら可能性が高いです。 
 
刺されていない体幹にも広がってきますので医療機関を受診して治療を受けましょうhappy01
  
ところで先週土曜日の診療後に、神野美容形成外科クリニック神野先生が当クリニックに立ち寄られました。

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神野先生は、元福井赤十字病院hospital形成外科副部長だった方です。手術の腕はピカイチで、日赤病院ではすごく人気のあった先生ですhappy01
 
当院とは、保険治療の手術において提携しています。一流の美容外科医が保険で手術をしてくださる。すごいでしょgood
 
特に、女性や小児の外科手術はお願いすることが多いです。ただし、美容治療は自費ですよ。
 
(院長)
 
 

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