2/23に白斑患者さんに1mmミニグラフト療法を行いました(2/23のブログ「白斑(しろなまず)の新しい治療〜1mm ミニグラフト療法〜」を参照)。
下図のように、下腹部から1mmのグラフトを採取して患部(白斑)に移植します。
当初色素がでず失敗したのかと思いましたが、1ヶ月後の診察時に色素斑が出現している(→)のを確認しました
(上写真(術中):2/23、下写真:3/22)
その後はあまり進展がなかったので、エキシマライトを当てるともっと色素斑が成長するのではないかと考えました
しかし、この治療法の原著では、紫外線療法は併用しないとされています。でも、やってみました(本人の同意を得て)。すると突然色素斑が拡大してきました(上写真:4/5、下写真:4/26)
1mmミニグラフトとエキシマライトの組み合わせは、かなり良い治療法なのではないかと期待しています。また、経過を報告しますね
(院長)
円形脱毛症に対するエキシマライト光線療法の経過報告です。
当院では、難治性の円形脱毛症にエキシマライトを照射しています。
経過写真(上:2010/11/26、中:3/11、下:4/27)
予想通りゴールデンウイーク前に光線療法を終了することができました 今後は、外用(ぬり薬)のみで経過を見ていく予定です。しかし、ここまでくるのに2度のパルス療法→ナローバンドUVB→ステロイド内服→SADBE療法→エキシマと4年以上の歳月がかかってしまいました でもなんとかうまくいってよかったですね
ただ、エキシマライトが円形脱毛症に万能というわけではありません。これも、パルスやSADBEと同じように有効な治療手段の1つにすぎません。エキシマライトが全く効果が無い方もおられます。症例ごとにオーダーメイドな治療ができればと考えています。
新たなエントリーがあればまた報告したいと思います。
(院長)
当院は、診察の待ち時間が長いと苦情をよくいわれます で、待ち時間解消にいろいろな取り組みをしています。
①電子カルテの音声入力やiPadなどのITを駆使した診療
②職員の徹底した訓練
③一部予約制の導入による混雑する時間帯の患者数の調整
④医薬分業(院外処方)
など。
現在1日130人前後であれば平均待ち時間は30〜40分くらいと、昨年の同時期より1.5倍程度の速度になっています。これは、実は凄いことなんです。スタッフの努力も並大抵のことではありません。頭が下がります。
しかし、外来患者数も1.5倍になっていますので、結局は待ち時間は解消されていません 昨日のように午前中だけで120人を超えるとどうしようもなくなりますね
診療の質を落とさずにスピードをあげる取り組みをもっとしなくてはいけませんね。150人で30分待ちを現在めざしています(あくまで目標ですが・・・)。
しかし、200人を超えるとこれもどうしようもないですね クリニックの近くにスターバックスか、ミスタードーナツでもできると待ち時間が解消されていいんですけどね そんな都合よくいくわけないか
(院長)
*京大病院内のドトール(下写真)なんか、待ち時間解消に役立っていますよね。病院に入ると、甘いコーヒーの香りが立ちこめて患者さんのイライラも和らぐようです。
*昔はお薬受診なんてのがあり、診察なしでお薬だけという究極のスピードアップがありました。1日300人なんてクリニックも結構ありましたが、『お薬だけ』は今も昔も法律違反です。最近は指導も厳しくなり、やっているところはほとんどなくなりましたが、いまだにくすりだけくださいと言う方多いですね。受付でもめる方が多くて大変困ります。
「医師法」(昭和23・7・30施行)
第20条 医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せんを交付し、自ら出産に立ち会わないで出生証明書若しくは死産証書を交付し、又は自ら検案をしないで検案書を交付してはならない
第33条の2 次の各号のいずれかに該当する者は、50万円以下の罰金に処する。
1.第6条第3項、第18条、第20条から第22条まで又は第24条の規定に違反した者
本日は、水曜日恒例の日赤での静脈瘤の手術とカンファレンスです
本日の患者さんは、下腿の静脈瘤性潰瘍の方です。潰瘍は保存的に改善しましたが、再発予防のために手術を行いました。
(下写真:↑静脈瘤、↓潰瘍のあったところ)
中川先生(福井日赤皮膚科代表)が、後輩を指導しながらエコー検査をしています。様になっていますね これからの皮膚科医には、エコー検査は必須ですね 当院でも静脈瘤や皮下腫瘍などに多用しています
以前他院での手術歴があり、かなりの癒着がありました 手術は少し時間がかかってしまいましたが、難なく終了。今後は、外来で残った静脈瘤に対して硬化術を行う予定です。
術後は、これも恒例のカンファレンスを行い、難治症例の診断と治療についてみんなで話し合いました 今日も充実した1日でした
(院長)
最近テレビでも爪水虫の啓蒙が盛んで、自分の爪が爪水虫ではないかと心配されて受診される方が増えました
こんなCMありましたね
確定診断は、爪の中に繁殖している水虫菌(白癬菌)を顕微鏡検査で確認して行います。これは、とても大切です。菌の採取が難しいときには、爪にドリルで穴をあけて(痛みはありません)菌を採取します。
こんな爪の水虫菌は採取できないですよね しかし、ドリルで穴をあけて採取できます また、この穴に直接塗り薬を塗り込めば、この程度の爪水虫では飲み薬は不要です。
この方の水虫菌は、このように見えました(下写真:菌糸↑、胞子↑↑)
なぜここまで爪水虫菌(白癬菌)の確認にこだわるかというと、爪水虫そっくりな病気がたくさんあるからなんです。見た目だけでは鑑別できません。塗り薬くらいならまだしも、菌の確認もせず水虫の内服薬を開始してはいけません 下写真はほんの一例です。
下写真の患者さんは、爪水虫の内服薬を1年間続けたが改善せず当院を受診されました。顕微鏡検査では水虫菌は検出されませんでした
この方は抗リウマチ薬を内服していました。抗リウマチ薬は、爪が黄色くなる副作用があります。中止すれば改善します。当然水虫薬では改善しません。
爪水虫の治療は、水虫菌の確認が必須なのです。
(院長)
*抗リウマチ薬による爪の変化は、黄色爪症候群(二次性)に分類されます。興味のある方は調べてください。
*以前に福井新聞に掲載された爪水虫治療の記事です。
当院には毎日大勢の自称水虫の方が受診されます しかし、その大半が水虫ではありません
まず一番多いのが、市販薬によるかぶれです。下写真の患者さんは、一生懸命市販の水虫薬をぬっているのですが改善せず悪化してきました
患者さんの心理として、改善しない場合は塗る量が足りていないと勘違いします。さらにたっぷりと何回も外用することでますます悪化していきます 顕微鏡検査で水虫菌(白癬菌)がいないことを確認し、かぶれの治療を開始することが大切です。
ちなみに白癬菌は、顕微鏡で下写真のように見えます。当院では、実際にモニターで見せて患者さんに納得してもらってから治療を開始します。
糸状菌(filamentous fungi)の一種で、菌糸が糸(filament)のように見えます。ちなみに丸いのは空気の泡です。
次に気をつけなければならないのが、細菌感染です。特にジフテロイドという細菌で起こる紅色陰癬は有名です。趾間がじゅくじゅくして水虫そっくりです。紫外線を当てるとcoral redと言われる鮮やかなピンク色に光ります
これもイミダゾール系以外の水虫薬は効きませんので、中止させて抗生剤の治療を開始します。
ちなみに本物のcoral red(珊瑚色)は、こんな色です(セブ島にて)
その他に水虫そっくりの病気もあります。
下写真は、掌蹠膿疱症の患者さんです。膿疱症の一種で、原因不明の難治性皮膚病です。水虫と間違われて治療されているケースが結構あります
エキシマライト光線療法にて下写真のように寛解しました
その他には、汗疱性湿疹など鑑別を要する疾患は多数あります。治らないと思っているあなたの水虫は、実は水虫では無い可能性があります。あなたの足は本当に水虫ですか?
(院長)
*受付時間変更について
4月1日より受付終了時間が15分早まりました。5月より土曜日の午後診がなくなります。
受付時間:
午前診は8:15〜12:00/午後診は2:15〜18:00までになります(土曜日は16:00のままです)。
ただし、5月からは土曜日の午後診はありません。
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