« 2011年4月 | メイン | 2011年6月 »

2011年5月

2011年5月25日 (水)

iPhone用ダーモスコピー2

以前より何度か紹介していたiPhone用ダーモスコピーについて、半年使用後の感想を報告します。

はっきり言って凄いです。当院には他社のダーモスコピー(医療機器の承認を得ている)が2機種ありますが、全く太刀打ちできません。
Img_1030_3

片手で操作できる。写真は、画像を指で拡大しているところ。
Img_1035_4

iPhone用ダーモスコピーの利点は以下のとおり
①カメラ付きなのに小型。
②ゼリー不要
③自動ピント調節で、画面にタッチするだけで撮影できる。
④画像はかなり鮮明で、その場で20倍にまで拡大できる。患者の説明にも便利。
⑤部位、氏名、コメントなどが書き込める。日付は自動で入る。
⑥パソコンにつなぐと自動的にiPhotoに取り込まれる。iPhoneからメールで写真を送信できる。
⑦iPhoneのカメラを使用すると、ダーモスコピーの動画もとれる。動いている疥癬なんかも撮れちゃうんだろうな。

欠点はあまりないのですが、敢えてあげるとすれば、
①医療機器の承認を得ていないので、かならず認可の得ているもので確認が必要。
②タッチ画面の反応が良すぎて、ダーモスコピーを握る手が画面に少しふれただけで『カシャ』と撮影してしまう。これ結構してしまいますweep
③たまにフリーズする。最近アップデートされてから起こるようになった。

(院長)

2011年5月23日 (月)

紫外線と薬剤(特に湿布)

紫外線impactが急激につよくなるこの時期は、光線過敏症(紫外線などの光線でできる皮膚炎)の患者さんが増える季節です。

特に、湿布薬による光線過敏症が急増しています。注意してください。

写真は最近来られた患者さんですが、右手首にモーラスという湿布を貼っていたところが突然かぶれだしたそうですshock
Img_6520_2

腰に貼っていたところは問題ないらしい。なぜ? 実は、湿布を貼ったところに紫外線があたるとかぶれが生じ易いのですshock これは、湿布の主成分(ケトプロフェンなど)による薬剤性光線過敏症です。露光部に湿布をはったら、紫外線impactに気を付けましょう。貼って数ヶ月後に日光をあびても出現することがあります。


ところで話は変わりますが、先週福井日赤のカンファレンスに出席して、めずらしい重症薬疹である薬剤過敏性症候群(drug-induced hypersensitivity syndrome:DIHS)が発生したらしいとのことでした。この時期にDIHSの発症が多い気がしますthink ぼくが今までに経験したDIHSの患者さんは、紫外線impactが強い時期に発症しています。偶然でしょうか?

で、昔(といっても2007年)DIHSの発症に紫外線impactが関与している(かも)という内容をDermatology(ヨーロッパの医学雑誌)に投稿したことがありますが、紫外線impactとの関係については、その後の報告はないようですねweep
Img_1024_3
(院長)

2011年5月22日 (日)

お茶石けん自主回収shock

以前、当ブログでもお茶石けんの危険性を訴えたことがありましたが(当ブログ「危険 お茶石けん!shockshock」参照)、厚生省からの注意喚起をうけてから半年以上後にようやく自主回収だそうですcoldsweats02

茶のしずく石鹸」アレルギー例で自主回収


この石けんの最大の問題点は、小麦アレルギーでも無い人が使用後に突然小麦アレルギーになってしまうことですねshock それもいつまで続くかわからないことです。


当院でも実際にアナフィラキシーショックの方がいましたし、この前の地方会でも報告がありましたから、全国的にはかなりの数の被害があったのでしょうねpout

しかし、半年以上もたってからの自主回収って、「パロマの湯沸かし器」じゃあるまいし石けんが残っているんでしょうか?
(院長)

白斑(しろなまず)の新しい治療 〜1mm ミニグラフト療法+エキシマライト〜

前回までは、エキシマライトと1mmミニグラフト治療を紹介しました。今回は、その続編ですhappy01

腹部から1mmという極小の皮膚を採取して白斑に植え付けます。その後エキシマライトshineという特殊な紫外線を当てていくという最新の治療法です。
(上写真:2/23 手術、下写真:4/5)
Img_5752_2

Img_6274_2

7つ植皮して4つしか残りませんでしたが、エキシマライト照射に反応して順調に色素斑が大きくなっていますhappy02
Img_6574

ここまでが前回のお話。

先日2回目の植皮(5/14)を行いました。前回の反省点から方法を少し変更し、また植皮の数も17個と大幅に増やしました。
(上写真: 植皮前、下写真:植皮後)
Img_6578_2

Img_6579_2

1週間後の写真です。創部は安定していますが、植皮の成否はまだわかりませんthink
Img_6602_2

今後の経過をまた報告しますねwink これが成功すれば、多くの通院中の患者さんにとって朗報になると思われますconfident
当院では初めての治療法にこころよく同意してくださった患者さんに感謝いたしますhappy02
(院長)

2011年5月18日 (水)

脂肪腫(Lipoma)の治療

皮膚の下にできるできものを「皮下腫瘍」といいます。最も多いのはダントツに粉瘤腫(表皮嚢腫)ですが、次に多いのが脂肪腫ですね。

「皮下腫瘍」の手術は、いかにして小さな術創から大きなできものを取り出せるかに術者の技量がかかってきます。粉瘤腫では、くり抜き法を紹介しました。今日は、脂肪腫の治療を紹介しましょうhappy01

先日手術を行った方です。左肩の皮下腫瘍で受診され、エコー検査で脂肪腫と診断しました。
真ん中の線は切開線です。この小さな穴から腫瘍をとりだします。
Img_5651_2

できものの周囲にゆっくりと麻酔薬を注入して、その後しっかりとマッサージをします。
Img_5652

しっかりモミモミしますhappy02 これによって、麻酔液が十分に浸透するだけでなく、脂肪腫がまわりの組織から物理的に剥がされます。これが「hydrodissection」というテクニックです。
Img_5653

小さな穴(切開)から、一気に腫瘍を引っぱりだします。麻酔液が十分に行き渡り、痛みは全くありませんhappy01
Img_5657_2

ほら取れた!good
Img_5658_2

どうです?簡単でしょhappy01 でも実は意外と難しいんですよこれがsmile
(院長)

*現在毎日皮膚皮下腫瘍の手術を2〜3件していますが、手術は1ヶ月半から2ヶ月待ちになっていますcoldsweats01 どうしても早く手術をして欲しい方には、私が信頼している皮膚外科医、形成外科医を紹介いたいします。

2011年5月 8日 (日)

越前海岸へドライブ

ゴールデンウイークはどこへも出かけなかったので、昨日は少しだけ贅沢?をしましたhappy01 

いつもダイビングでお世話になっている浜富旅館(ダイビングはハマトミダイバーズ)http://hamatomi.jpへドライブがてらにお昼を食べにいきましたrestaurant

新鮮なお刺身ですねhappy02
Img_0702

かに釜飯ですねcancer おこげがおいしいんですhappy01
Img_0708_2

ウニをのっけて刺身醤油をかけて食べました。ぜっぴんですhappy01
Img_0710_2

いつもビーチエントリーする壁石浜はこんな感じです。いい天気ですねsun ダイバーが数人いました。水温は13度だそうです。寒そうshock
Img_0692_2

この海の中はどんな感じか興味あるでしょう。たまたまアミューズさん(金沢のダイビングショップ)の動画がYouTubeにありました。






ほんとうに気持ちのいいドライブcarでした。

(院長)

2011年5月 4日 (水)

Happy Weddingheart04

本日は、当院の電子カルテからホームペジなどIT関係をすべてお任せしている親友の結婚式でした。また、新郎新婦ともダイビングチーム“team あひる”のメンバーです。

ジャルダンというフランス料理restaurantのお店で挙式と披露宴が行われました。にしむら皮フ科クリニック全員集合です。私はスピーチを頼まれており、頭がいっぱいの顔になっています。
Img_0625_3

挙式です。二人とも緊張していますhappy01
Img_0597

スピーチは、途中で頭が真っ白shockになりましたが、何とか終了。

ふたりともうれしそうですね。
Img_0644

その後、我々夫婦とも一緒に記念撮影camera  
Img_0650_2

ケーキcake入刀
Img_0658

二人は、オーケストラの楽団に所属しています。楽団の仲間と演奏を披露してくれましたnote
Img_0680

料理restaurantもおいしいし、アットホームで楽しい結婚式shineでした。お二人とも末永くお幸せにheart04

(院長)

*私たちは、スキューバダイビングのプロ集団を結成して越前海岸を中心に活動しています。その名は“team あひる”といいます。
60990_146860698688382_1350645432013
(セブ島にて)

2011年5月 3日 (火)

食物アレルギーは食べて治す?

最近、原因食物を積極的にたべて食物アレルギーを治すという報告が日本小児アレルギー学会などからなされています。
食物アレルギー 経口免疫療法の今後(日本小児アレルギー学会誌)


要するに、口から入った物質には経口免疫寛容がはたらきアレルギーを起こさなくなるという仕組みです。簡単にいえば、卵アレルギーは、卵を食べさせてなおすということです。


昔から皮膚科医は、食事制限(除去食)はできるだけせずに積極的にたべさせる、食べて食物アレルギーを克服させようという考えでしたからねconfident 何もあたらしいことではないんですけどねcoldsweats01


漆職人は、漆を少しずつなめて漆アレルギーを克服したといわれていますが、これも立派な経口寛容ですねthink


私自身は昔から、乳幼児湿疹の子供には食事制限をしたことがありません。血液検査(IgE測定)は信用していないのでほとんどしません。食事制限経口寛容を遅らせるだけであると、私個人は考えています。アトピー性皮膚炎食事制限などは、なおさらですwobbly

(院長)

アナフィラキシーや呼吸器症状などの生命にかかわる食物アレルギーについては、食事制限が必要であると私も思いますthink
*最近の研究で、アトピー性皮膚炎の患者さんの多くに皮膚のバリア機能を果たすフィラグリン遺伝子に異常が見つかっています。食物アレルギーアトピーの原因ではありません。
*昔、菊アレルギーの人に食用菊からジュースを作って飲ます菊ジュース治療なんていうのもありましたね。荒療治でしたが効きましたね。これも経口寛容ですね。菊業者の方には、このアレルギー深刻です。

2011年5月 1日 (日)

ゴールデンウイーク中の読書book

5月に入りましたが、まだ少し肌寒いですね。 本日午前中はレセプトチェックを行いました。午後は、ゆっくり読書bookをするつもりですhappy01

先日京都に行ったおりに、2冊の本を買ってきました。1つは『皮膚科学 第9版』、もう1つは『日本の大復活はここから始まる!』です。


『皮膚科学 第9版』
3406640

別名マイナー(minor)皮膚科と言われる皮膚科医のなかでは有名な本です。版を重ねるたびに分厚くなり、どこがマイナーやねん!とツッコミを入れたくなるような膨大な情報量とページ数です。

今回は、レイアウトや索引など大幅に変更されています。一目みて読み易くなったと感じました。毎回版が更新されるたびに、100回音読することに決めています。ゴールデンウイーク中に20、30回音読する予定です。

後輩に皮膚科の勉強方法を聞かれるたびに、マイナー100回読めば知識は十分といっていますhappy02 しかし、これは読書ではなく勉強ですねcoldsweats01


『日本の大復活はここから始まる!』
T02200311_0296041911188240008

三橋貴明著の経済本です。この方のブログをよく見ています。このブログをみていると、日本が財政破綻などするわけがないことがわかります(以前から私もそう思っていましたが)。また、われわれがいかにマスコミ等にミスリードされているかを認識させられます。医療界も、この点に関しては同じです。で、震災後に出版された彼の本を読もうと思いました。

(院長)

カテゴリ

カウンター

  • アクセスカウンター