カテゴリ「アトピー性皮膚炎」の72件の記事 Feed

2019年10月10日 (木)

クリニックでアトピー治療のWEB講演

昨日は休診日でしたが、クリニックでWEB講演を行いました。
 
撮影風景はこんな感じですsmile師長とコラボの講演です。
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昼と夜の2回全国に配信されました。まる1日仕事でしたねcoldsweats01
 
内容は、アトピー性皮膚炎に対するデュピクセント治療についてです。
 
どんな患者さんが対象になるのか?どんな風に導入したらよいのか?
 
より具体的に患者像や導入時の解説の仕方をお話ししましたhappy02
 
この薬は生物学的製剤ですが、病院医師より開業医が主に使うべき薬剤であると思っています。
 
効果と安全性を考えれば、
 
今後は、アトピー性皮膚炎治療の中心になっていく薬剤と考えています。
 
私の方から見たらこんな感じですsmile
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WEB講演は、演者も聴講者も会場に移動せずに行えるため自由度が高く、今後はこの形式の講演が多くなるのでしょうね。
 
私は、ちょっと苦手ですが・・coldsweats01
 
後から聞いた話では、今回の講演はかなり反響が高かったようです。
 
よかったhappy02
 
さらに来週水曜日は、大阪でWEB講演の予定です。
 
今度は、にきび治療の講演です。
 
WEB講演なのに大阪に行かなきゃいけないのがイマイチですが・・crying
 
そしてさらに来週末は、仙台に移動して講演があります。さらに遠いcrying
 
とういわけで、年末までずーと講演が続きますwink
 
我ながらよく働くな〜と思います。
 
(院長)
 
 

2019年10月 7日 (月)

アトピー性皮膚炎に対するデュピクセント治療

先週末は、日本皮膚学会中部支部学術大会に出席してきました。
 
久しぶりに中川先生(元福井日赤皮膚科副部長)と会ったので、一緒に写真をとりました。
 
自分の発表がないので、二人ともラフな格好ですsmile
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今学会出席の主目的は、乾癬及びアトピー性皮膚炎の治療を聴講することでした。
 
大変勉強になりましたhappy02
 
特にアトピー性皮膚炎治療は、デュピクセントの登場によって大きく進歩しました。
 
当院でも31名の患者さんに投与していますが、
 
その効果は凄まじく、かつ副作用はほとんどありませんhappy02
 
この治療の目指すところは、プロアクティブ療法を補完することです。 
 
当院での治療対象は、
 
プロアクティブ療法の効果不十分な方、②プロアクティブ療法は有効であるが、完全寛解に持ち込めない方、②超重症のために早期寛解導入が必要な方、④その他
 
です。
 
そして、最終的にプロアクティブ療法単独に移行して完全寛解(薬物療法離脱)を目指しますgood
 
外用無しで、これだけでアトピー性皮膚炎をなんとかするような薬ではありません。
 
こういったお話を、今週水曜日にWEBセミナーで行いたいと思います。
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(院長)
 

2019年7月21日 (日)

アトピー性皮膚炎の新薬デュピクセントの経過報告

当院では、アトピー性皮膚炎(以下アトピー)の新薬デュピクセントの治療を今年5月より開始しました。
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現在15人の患者さんを治療しています。
 
TARCの平均が初診時2万以上の超重症で、シクロスポリンですらコントロール不良の患者さんたちです。
 
当然、外用剤や紫外線療法も歯が立ちませんshock
 
大人のアトピー患者さんの中には、このように途轍もないレベルの方がおられますweep
 
ですから、小児アトピーのうちにしっかりと治療して重症化を防ぐことが大切なんです。
 
当院では、しっかりプロアクティブ療法を行った小児で重症化していった方はいません。
 
ほとんどの方が、最終的には外用療法が必要なくなりoutgrowしていますgood
 
話を元に戻しますと、
 
デュピクセント投与前は、これらウルトラ超重症の患者さんに果たして効果があるのだろうかと大変心配しました。
 
しかし、投与して全員順調に改善していますhappy02
 
すごい威力ですhappy02しかも安全性も高いgood
 
超重症アトピーの当院職員にも投与しましたが、正常な肌が全くない状態から、今ではアトピーであることすらわからない綺麗なもちもち皮膚shineになっていますhappy02
 
コントロール不良の女性患者さんには、特にオススメですねwink
 
現在は、今まで治療法が無かった超超重症の方へ投与していますが、
 
今後はもう少し軽症の方(と言っても重症ですが)のより安全で早い寛解導入(ほとんど治ったような状態)に使用できればと考えています。
 
薬は高額ですが、色々な制度で負担金を軽減することも可能ですのでご相談ください。
 
dangerデュピクセント治療は、当院で治療を継続されている方で、この治療に適応のある方のみに限定させていただいております。
 
(院長)
 

2019年5月16日 (木)

デュピクセントの在宅自己注射開始

昨日は休診日でしたが、いつも通り忙しい1日となりましたsweat01
 
午前中は、処置や特殊治療の予約診察と業者さんとの面談があり、午後からは取材撮影がありました。 
 
当院では、アトピー性皮膚炎の生物学的製剤デュピクセントの在宅自己注射(2週間に1回)を今月より開始しました。
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以前は、医療機関へ2週間毎に受診してもらわなければいけなかったのですが、
 
今月より自宅で自分で投与することができるようになりましたhappy02
 
糖尿病患者さんの自己注射のようなものですね。
 
これを既に始めているクリニックがほとんどなかったため、取材撮影となりました。
 
まずは、師長と二人で挨拶です。
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治療導入の判断や患者指導などを解説をしているところです。
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師長も、患者さんへのムンテラに関して詳しく述べてます。
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以前よりこのブログで述べているように、
 
当院では、中等症以上の成人アトピー性皮膚炎に対してプロアクティブ療法によるTARCコントロールを行っています。
 
しかし極わずかですが、コントロールが難しい方がおられますcrying
 
こういった重症shockの方に有効な薬剤がデュピクセントなのです。さらに安全性も高いhappy02
 
自分で注射? ちょっと恐そうですが・・shock 
 
補助具(マイデュピ)を使うと、誰でも簡単に皮下注射できますhappy02
 
従来の治療でコントロール不良の重症アトピーでもTARCコントロールが可能になったことは素晴らしいことですhappy01
 
(院長)
 
*来週のセミナーのご紹介
紫外線療法の細かなテクニックを解説します。
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2019年4月 8日 (月)

アトピー性皮膚炎の新薬デュピクセント  いよいよ開始!

昨日は、所用で京都まで行ってきました。
 
京都は桜が満開でしたねcherryblossom
 
写真は京都の高瀬川ですが、水面に桜の花びらが散っていて風情がありますねhappy01
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ところで今日は、来月から始まる新しい治療薬のお話をしようと思います。
 
アトピー性皮膚炎の新薬デュピクセントについてですshine

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新薬といっても、昨年発売された治療薬ですが、
 
福井県では、極僅かな総合病院でしかできなかった治療です。
 
来月からは当院でもこの薬を採用しますhappy02good
 
福井県のクリニックでは、今のところ当院だけですね。
 
ステロイド外用剤などの既存の治療で十分改善しない
 
重症の患者さんを対象にしています。
 
実は、当院の職員にも一人重症アトピーがいまして、
 
この薬を投与したところ、グングン良くなって
 
アトピーのかゆみも皮疹もほとんど無くなってしまいました。
 
すごいcoldsweats02
 
この薬は、アトピー性皮膚炎の病態を起こしているタンパク質
 
直接働きかける薬剤ですから効果は抜群ですsign03
 
さらに、副作用も非常に少ないhappy02
 
欠点は、保険が利いても高額なところですかねcoldsweats01
 
来月からはじまるアトピー性皮膚炎の新治療に乞うご期待!
 
(院長)
 

2018年11月 2日 (金)

アトピー性皮膚炎が悪化する季節

もう11月(霜月)です。文字通り霜が降りる月ですので、朝晩冷え込んできましたねcatface
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気温が下がって空気が乾燥し、アトピーの患者さんが悪化してくる時期ですshock
 
特に小児は敏感ですね。
 
週2回外用の標準的なプロアクティブ療法を行っている方は、ほとんど悪化していないようですが、
 
5日に1回以下の外用頻度でコントロールされるている方は、やや悪化傾向ですshock
 
悪化している場合は、外用の頻度やレベルを見直す時期ですのでお早めに受診してくださいwink
 
本格的に乾燥する冬を迎える前に対処しておきましょうhappy01
 
 
ところで、中部支部の講演が終了したばかりですが、次の講演である東京支部のリーフレットが出来上がってきました。
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当院で行っている難治性の手強いざ瘡(ニキビ)の攻略方法を色々とお話したいと思います。
 
重症のざ瘡や、お肌トラブルを抱える成人女性のざ瘡アトピー性皮膚炎に伴うざ瘡などを例に当院の治療を紹介します。
 
リピーターという言葉(これは私がつけた題ではありません)はかなり露骨ですが、実はざ瘡患者さんは通院しない(リピートしない)ために、最終的に治せないニキビ跡(ざ瘡瘢痕)を残すことが多いのです。
 
どうすれば通院してくれるのかというアドヒアランスのお話でもあります。
 
(院長)
 

2018年3月 4日 (日)

ざらざらお肌を治しましょう(小児アトピー性皮膚炎のtight control)

赤ちゃんのお肌をさわってみようhappy02
 
つるつるしてる?ざらざらしてる?
 
ざらざら肌アトピー性皮膚炎(以下アトピー)かもしれませんshock
 
私が診察の時に、子供たちのお肌を触っているのは、ざらざら肌を探っているんですwink
 
診察してみると、ざらざら肌アトピーの子は沢山います。お母さんは、気づいていないことが多いですけどねcoldsweats01
 
下写真の赤ちゃんのお肌も、触るとざらざらしていました。これは単なる乾燥肌ではありません。アトピーなんです。
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この皮膚の中には、炎症細胞がいっぱい浸潤しています。保湿のみで改善できる状態ではありません。
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この炎症細胞を早期に消退させないと、アトピーはどんどん進行していきますshock
 
そして、このざらざら肌からダニや食物由来のアレルゲンが侵入して、食物アレルギー喘息などを発症してくることが知られていますshock[1]
 
下写真の子供の場合、全身の保湿はされていましたが、⬆︎で示した目立つ湿疹のみにお薬が塗られていました。
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しかし、触診すると全身がざらざら肌でした。全身の皮膚が炎症を起こしているんですね。
 
ざらざら肌を全て治療すると右側の写真のように綺麗になりました。これが本来のこの子の肌なんですhappy01つるつるでしょ。
 
ロコヒル*で治しましたsmile
 
このざらざら肌ゼロを目指すことをtight control(タイトコントロール)といいます。
  
実は、プロアクティブ療法の真髄はここにあるんですwinkただ単にロコヒルを塗り続けることがプロアクティブ療法ではありません。
 
毎回診察でお肌を触っているのはこのざらざら肌を探るためなんですよ。そして、それに従って外用剤の種類(レベル)、塗る量、頻度、塗る範囲を決定しています。 
 
Tight controlされた肌は、皮膚からのアレルゲンの侵入(経皮感作)を防ぐことができ、将来の食物アレルギーや喘息などのアレルギー疾患の発症を予防することができます[1][2]
 
さらにTight controlは、アトピーの重症化と遷延化を防ぎ予後を改善するという報告もあります[2]
 
読み終わったら、早速赤ちゃんのお肌を触ってみましょうwink
 
 
(参考文献)
①Lack G et al.: N Engl J Med 2003; 348:977-85.
②片岡葉子:皮膚の科学 2015; 14(Suppl.23):13-18.
 
*ロコヒルは、ロコイド軟膏とヒルドイドソフトの混合軟膏です。混合比により3種類あります。開業時に師長が命名しました。
 
(院長)
 
 
apple重症例や大人は、血液データ(TARC: ターク)も使って更に精密にコントロールします。
 
プロアクティブ療法の過去のブログTARCを使用したアトピー性皮膚炎の治療
 
banana過去のブログでも述べている通り、tight controlされている患者さんは、経皮感作がなくなるため大人でも急速にIgEが低下していきます。 
 
 
 

2017年4月24日 (月)

アトピー性皮膚炎のTARCコントロール

今日は、良い天気でしたね〜sun 早く夏が来て欲しいなぁhappy01
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ところで本日は、アトピー性皮膚炎(以下アトピー)のプロアクティブ療法の経過をお話ししたいと思います。
 
今回はちょっと専門的すぎるかもsmile
 
4年前にこのブログで、アトピー性皮膚炎のプロアクティブ療法という題で2人の重症アトピー患者さんを紹介しました。
 
二人とも、その後も真面目に通院され、寛解状態(皮疹ほぼゼロ)をずっと維持されています。
 
血液データ(TARC, IgE)も非常に良好です。
 
症例1 10代女性 初診時のTARC(ターク)14146 Pg/ml、 IgE 12730 IU/ml ⇨現在 TARC 264 Pg/ml  IgE 2342 IU/ml
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症例2 20代男性 初診時のTARC(ターク)7755 Pg/ml、 IgE 7930 IU/ml
⇨現在 TARC 661 Pg/ml  IgE 1300 IU/ml 
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2人ともしっかり通院され、アトピー性皮膚炎克服に頑張っておられるのは嬉しい限りですhappy02
 
現在、外用は週1〜2回で、通院間隔は1ヶ月半〜2ヶ月程度です。再燃はほとんどありません。
 
両者とも高IgEが改善され、完全寛解(治癒)が期待できそうですね。現に、良好なコントロールから完全寛解に至ったケースを数多く経験していますgood
 
TARCを測定して、それを道標に治療方針を立てる。それをTARCコントロールと言います。
 
それを実践する外用療法がプロアクティブ療法なのです。
 
特に重症の患者さんにこそ行ってもらいたい治療ですねwink
 
(院長)
 
 
 
治療の具体的な方法は、過去のブログ『TARCを使用したアトピー性皮膚炎の治療』を参照してください。
 
*TARCは、正式にはタルクと読むらしいのですが、私は英語読みのタークに慣れてしまっているので。
 

2016年10月27日 (木)

ロコヒル=プロアクティブ療法?

ロコヒル(ロコイド軟膏とヒルドイドソフトの混合軟膏)は、当院でアトピー性皮膚炎(以下アトピー)の子供に使用している外用剤の一つです。
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Photo
 (乳児アトピー性皮膚炎:マルホ株式会社 アトピー性皮膚炎パンフレットより)
 
当院に以前通っていて、いつの間にか来られなくなり、今は他院でロコヒルだけを貰っていたという患者さんが、最近何人も再診されました。
 
その子達の母親から、「ロコヒルを他院で貰ってずーと塗っているが、いつになったらアトピーが治るのか?」という質問がありましたcoldsweats02coldsweats02
 
ロコヒルをずーと塗ることが、当院治療の肝(プロアクィブ療法)と勘違いされているようですねcoldsweats02
  
ロコヒルを同じ頻度と量で、ずーと塗っていてはダメでしょうwobbly
 
外用剤は、皮膚の状態に合わせて外用のレベル、量、頻度を変化させなければいけません。そこが、皮膚科医としての腕の見せ所ですwink
 
過去のプロアクティブ療法のブログ:アトピー性皮膚炎のプロアクティブ療法 
 
気温がぐっと下がり、湿度が低下してきましたdespair肌が乾燥する季節です。
 
週1−2回外用でプロアクティブ療法中の患者さんも、外用頻度レベルの変更が必要になる時期です。保湿剤の外用量も増やす必要があります。
 
また、長期寛解で外用をしていない患者さんも症状が出現してくる可能性があります。
 
悪化してから慌てて受診するのではなく、余裕をもって受診しましょうhappy01
 
(院長)
 
*院内の指導用の外用剤の蓋に、時々絵を描いて遊んでいます。ただし、患者さんが受け取る容器には描かれていません。
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*当院でも、プロアクティブ療法を行っていないアトピー患者さんは大勢おられます。しかし、小児に関しては、できる限りプロアクティブ療法を行っています。
 

2016年3月24日 (木)

アトピー性皮膚炎の新ガイドライン

先月、日本皮膚科学会より『アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版』が発表されました。7年ぶりの改訂です。
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改訂された内容は色々ありますが、特に注目すべきところは、プロアクティブ療法と病勢マーカーとしてのTARC値の話だと思います
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          (アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版より引用)
 
  
TARCを使用したプロアクティブ療法の実際は、このブログでも再三再四述べている通りです。
 
 
まだまだ具体性に乏しい記載ではありますが、この治療法がガイドラインに初めて掲載されたことに意義があります。それも、推奨度1(強く推奨する)エビデンスレベルA(結果はほぼ確実)で。
 
私の経験では、小児アトピー性皮膚炎の内に導入すれば、ほぼ100%コントロールできて完全寛解(過去ブログ)に持ち込めますgoodただし、通院されない方(ルーズケア)は無理ですが・・shock
 
 
これにより、除去食の必要もなく、食物アレルギーの発症も防ぐことができます。この点は、まだ今回のガイドラインには載りませんでしたが・・weep
 
過去のブログ:食物アレルギー
 
不必要な除去食が多すぎますからね。むしろ除去食は、アレルギーを増大させることが報告されています(The LEAP study)(*)
 
 
よって最悪なケースとは、外用治療をろくにせず、除去食に一生懸命精を出しているアトピー患者さんということになりますcrying
 
(院長)
 
*すでに食物アレルギーを発症し、医療機関で適切に除去食が行われている方は除去食の継続が必要です。自己判断で中止すると大変危険です。
 
以前、小児アトピー性皮膚炎治療で有名な国立成育医療研究センターの大矢先生が、アトピー性皮膚炎で除去食が必要だった症例はほとんどないと講演でおっしゃっていましたが、私も同感です。要するに、外用が十分にできてないだけと言うことです。
 
 

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