2019年6月11日 (火)

第118回日本皮膚科学会総会②

前回の続きです。
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今回の学会は、乾癬とざ瘡(にきび)を中心に聴講しました。
  
今年のざ瘡のテーマは、ざ瘡瘢痕(にきび痕)のようですね。
 
にきび痕は、非常に気になりますよね。
 
イブニングセミナー5では、秋葉原スキンクリニックの堀内先生が、ざ瘡後紅斑(赤いにきび痕)対策にVビームの効果を上げておられました。
 
私も激しく同意します。
 
ざ瘡後紅斑Vビームに勝るものはありません。ただしVビームパーフェクタが断トツです。
 
VビームⅠやⅡではありませんよbleah
 
当院の症例ですが、1回照射でこれくらい改善される方はざらにおられます。
001
 
ただし私は、十分な急性炎症期治療(治療から3ヶ月)を終えて維持期に入った方にしかVビームは当てません。
 
その理由は、・・と長くなるのでやめます。
 
ここから、ちょっと話が脱線しますsmile
 
私は聴講していなかったのですが、乳児血管腫(いちご状血管腫)治療の講演の中で、プロプラノロールの内服があるのにVビームは必要なのか?という質問があったようです。
 
その講演のパラメーターに問題があって、Vビームの効果がイマイチだったようですね。
 
Vビームは、機種やパラメーターの設定次第で効果が全く異なります。
 
当院で言えば、通常の乳児血管腫なら大体3〜6ヶ月で治癒します。
 
大きな結節型や皮下型でなれば、大部分の乳児血管腫は半年以内で治癒してしまうのです。
 
下の写真は当院の患者さんですが、1ヶ月に1回照射で5回で治癒しましたgood
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この治療を始めて以来、合併症は今のところありません。
 
ですから、内服よりも副作用が少なくて早く治るケースが多いのです。
 
VビームVSプロプラノロールの論文では、ほとんどが旧機種のVビーム(VビームⅠ)を使用して、パラメータもダメダメなものが多いですからね。
 
エキシマライトもそうですが、こう言った機械の差というものを考慮されないケースは結構多いです。
 
フェラーリもカローラも同じ車なので、加速は皆一緒やみたいな。そんな感じですsmile
 
ということで、ここまで書いて疲れたので、エキシマの講演の話は次回にします。
 
つづく。 
 
(院長)
 
 

2019年6月 9日 (日)

第118回日本皮膚科学会総会①

一昨日から本日までの3日間、名古屋国際会議場で開催された第118回日本皮膚科学会総会に参加してきました。
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第1日目は、重症薬疹の教育講演とざ瘡(にきび)のイブニングセミナーを聴講しました。
 
重症薬疹は、私の得意分野の一つですが、開業後は全く興味を失ってしまいましたwobbly
 
でも超久しぶり(10年ぶり?)に重症薬疹の教育講演を聴いたので、そのことを少し書いてみたいと思います。
 
スティーブンス・ ジョンソン症候群(SJS)と中毒性表皮壊死症(TEN)という重症薬疹は、発症からの数日間が生死を左右しますshock
 
よって、如何に超初期に的確に診断するかが大切ですが、それは専門医でも難しいことです。
 
超初期に診断可能な検査指標(バイオマーカー)があれば多くの命が救えます。
 
開業前は、私も多くの重症薬疹を治療し、そのバイオマーカーを探っていました。
 
当時北大が、血清FasLというバイオマーカーの研究をしていることを知り、私もそれに参加しました。
 
この研究の成果が、北大から論文になっています[1]
 
この論文のほとんどの臨床写真は、当時の福井赤十字病院hospitalの患者さんのものが採用されていますhappy02
 
その後、その患者さん達の血清を使って、後輩の中島先生がHMGB1がバイオマーカーになりうることを報告しています[2]
  
今回、その後のバイオマーカーの進歩が聴けましたhappy02
 
でもまだ確実なものは見つかっていないようですね。
 
もう一つの重症薬疹である薬剤過敏性症候群(DIHS)は、さらに進歩していました。
 
予後予測をスコア化して治療方針を決定するレベルにまでなっているんですねcoldsweats02
 
でも未だ病態は不明なところが多いようです。
 
当時の私も、病態を色々と想像して論文に書いています[3][4]smile
 
今回久しぶりに聴講して、当時情熱を燃やしていた頃のことが思い出されてnostalgicな気分になりましたconfident
 
でも、開業医が重症薬疹を診たり治療したりすることはまず無いんですよね。
 
それで、徐々に興味を失っていった次第ですweep
 
2日目以降のことは、明日書く予定です。
 
 
講演の間に、企業展示場にも行ってきました。
 
展示場に入るといきなり、サノフィーのブースがどかん!とありました。
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重症アトピー性皮膚炎の治療薬デュピクセントを製造販売している会社です。
 
この薬剤の効果は、近日報告しますねwink
 
次のは、ジェイメック(JMEC)のブースです。
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本日、ここがスポンサーのエキシマライトとエキシマレーザーのセミナーがありました。
 
内容は、本当に凄かったです。
 
その演者の一人である横川先生に、講演前にたまたまお会いしました(下写真)。
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私は、横川先生の講演を聴いてエキシマライト導入を決定した経緯があります。
 
今回もすばらしい講演でした。
 
実は今月末に、オテズラに対する紫外線(エキシマライト含む)併用療法の講演を依頼されており、今回の講演は大変参考になりましたhappy02
 
つづく。
 
(文献) 
[1]Murata J, et al: J Allergy Clin Immunol 2008;122(5):992-
    1000.
[2]Nakajima S, et al:Arch Dermatol 2011;147(9):1110-2.
[3]Nishimura Y, et al:J Am Acad Dermatol 2005;53(11):S231-3.
[4]Nishimura Y: Dermatology 2007;214(4):338-9.
 
(院長)
 
flairオテズラ錠発売2周年記念講演会
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2019年6月 6日 (木)

明日と明後日は休診です

明日と明後日は、第118回日本皮膚科学会総会へ出席のため休診です。
 
今年は、私の講演はありませんので、結構気楽に参加できますhappy02
 
勉強する気満々です。最新情報をどっさり仕入れて来ますgood
 
ところで昨日は、来月神戸で開催するにきび治療セミナーの動画撮影を行いました。
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当院のにきび治療の流れをそのまま動画にしました。
 
医師、看護師、看護助手の動きを個別に撮影しました。
 
今回は、この動画を使って参加クリニックにロールプレイをしてもらうセミナーです。
 
まさに、当院の治療の流れをそのままクリニックごと体験してもらという試みです。
 
こういう試みは初めてのことですが、是非成功したいですねwink
 
 
夜は、福井赤十字病院hospital重症アトピーの治療薬デュピクセントの講演を聴きに行きました。
 
福井赤十字病院hospitalは、デュピクセントの治療患者数が福井県No1ですので、その経験を聴けて非常に勉強になりました。
 
最後は、演者の八木先生と当院のスタッフとで記念撮影をしましたhappy02
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当院でも先月よりデュピクセント自己注射を開始しました。
 
当院で治療を行うメリットは、患者さんが自宅で注射ができるため通院回数が減ることや、完全予約制で待ち時間なしなどです。
 
関心のある方は、是非ご相談ください。
 
(院長)
 
 

2019年6月 2日 (日)

にきび治療の講演 in 滋賀

昨日は、滋賀県彦根市でにきび治療の講演をしてきましたhappy01
 
写真は、会場からの琵琶湖の景色です。遠くに多景島が見えます。
 
のんびりとしていて、景色の美しいところですねhappy01
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講演では、ベピオエピデュオといった過酸化ベンゾイル製剤によるざ瘡治療のテクニックなどを解説しましたhappy02
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こじんまりとした会ですが、活発な質疑があり非常に楽しかったですhappy02
 
当院のざ瘡の患者さんは、多い日で1日 50人くらい受診されます。
 
また、先月の1日平均来院患者数は210人でした。
 
もちろん、お薬受診(診察なしのお薬だけ)ngはしていません
 
それを、看護師2人と看護助手2人でこなしています(午前と午後でメンバーが多少変わりますが)。
 
最近よくうける質問は、どうのようにしてこのスタッフの人数で、この講演の内容をこなしているのかです。
 
今後は、この点を焦点にした講演にしていこうと思っています。
 
ということで、来月は神戸でざ瘡の講演なんですが、
 
どのように診察をしているのかを具体的に紹介し、参加者にロールプレイイングで学んでもらおうという企画になりました。
 
どうなることやら。初めての試みで少し心配ではありますが・・。
 
最後に、座長をしていただいたよねざわ皮膚科クリニックの米澤院長と記念撮影をしました。
 
座長ありがとうございました。
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(院長)
 
danger6月7日(金)、8日(土)は休診です(第118回日本皮膚科学会総会出席のため)。 
 

2019年5月30日 (木)

皮膚ガンの早期発見

昨日も暑かったですねhappy01
 
クリニックの周りも緑豊かになってきましたbud
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昨日は、福井赤十字病院hospitalの症例カンファレンスに参加してきました。
 
カンファレンスでは、やたらと皮膚ガンの方が多かったですね。
 
有棘細胞癌、基底細胞癌、悪性リンパ腫などなど・・。
 
ほとんどの方は、早期に発見されており生命の危険はありませんが、中にはかなり進行した方もおられましたshock
 
そして、個々の症例について、どのように治療するかを話し合いました。
 
皮膚ガンは非常に進行の早いものが多いです。数ヶ月の躊躇で大変なことになりますshock
 
しかし、内臓のガンと違って目に見えます。 
 
自分で早期に発見できるガンなのです。
 
気になるできものはできるだけ早く医療機関に受診して下さい。
 
ほとんどのケースは、視診、ダーモスコピー検査、エコー検査などの非侵襲性(いたくない)検査で診断できます。
 
いよいよ悪性を疑うときは、病理検査で確定診断します。
 
早期のものならクリニックで手術することも可能です。
 
ですから、急速に大きくなってきたできものや、気になる手足の黒子など、
 
何か異常に気づいたらできるだけ早く医療機関を受診しましょう。
 
(院長)
 
 

2019年5月29日 (水)

6月の土曜日応援医師

土曜日の午前診は、応援医師による2診体制で行っています。
 
6月の土曜日午前診の応援医師は以下の通りです。
 
6月 1日 登谷医師(女性医師)
6月15日 畑医師
6月22日 登谷医師(女性医師)
6月29日 桒井医師
 
6月7日(金)、8日(土)は休診です(第118回日本皮膚科学会総会出席のため)。
  
(院長) 
 

2019年5月27日 (月)

エキシマライト紫外線療法の講演 in 金沢

昨日も暑かったですねsunもう夏ですね。
 
私は、連日の怒涛の200人外来でバテバテですが、昨日も休み返上で仕事でしたsweat01
 
昨日は、紫外線療法の講演のために金沢まで行ってきました。
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私の専門の一つであるエキシマライト紫外線療法のお話をしてきました。
 
いつもの学会講演と違って、既にエキシマランプ(エキシマライトを照射する機械)を所有しているユーザーの方を対象にしたセミナーです。
 
よって、かなりマニアックな話をしました。
 
こういった話をするときは、同じ機械を所有していることが前提です。 
 
エキシマランプは各社から販売されいますが、性能はピンキリですからね。 
 
でも性能の話は講演ではタブーですsmile
 
講演後の質疑応答では、白斑の治療に質問が集中しました。
 
白斑の三位一体療法と植皮術のコツを詳しく解説しました。
 
過去のブログ:白斑の三位一体療法
 
さらにエキシマレーザーXTRACshine(エックストラック)の話もちょこっとしました。
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正式発表前なので詳しくは述べられませんが、このレーザーの効果は凄いですhappy02
 
承認機で稼働しているのは、全国でもこのクリニックにだけですgood
 
紫外線療法はいよいよレーザーの時代ですねhappy02
 
このレーザーの効果については、9月に高知で開催される第71回 日本皮膚科学会西部支部学術大会で詳しく述べる予定です。 
 
(院長)
 
 

2019年5月16日 (木)

デュピクセントの在宅自己注射開始

昨日は休診日でしたが、いつも通り忙しい1日となりましたsweat01
 
午前中は、処置や特殊治療の予約診察と業者さんとの面談があり、午後からは取材撮影がありました。 
 
当院では、アトピー性皮膚炎の生物学的製剤デュピクセントの在宅自己注射(2週間に1回)を今月より開始しました。
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以前は、医療機関へ2週間毎に受診してもらわなければいけなかったのですが、
 
今月より自宅で自分で投与することができるようになりましたhappy02
 
糖尿病患者さんの自己注射のようなものですね。
 
これを既に始めているクリニックがほとんどなかったため、取材撮影となりました。
 
まずは、師長と二人で挨拶です。
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治療導入の判断や患者指導などを解説をしているところです。
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師長も、患者さんへのムンテラに関して詳しく述べてます。
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以前よりこのブログで述べているように、
 
当院では、中等症以上の成人アトピー性皮膚炎に対してプロアクティブ療法によるTARCコントロールを行っています。
 
しかし極わずかですが、コントロールが難しい方がおられますcrying
 
こういった重症shockの方に有効な薬剤がデュピクセントなのです。さらに安全性も高いhappy02
 
自分で注射? ちょっと恐そうですが・・shock 
 
補助具(マイデュピ)を使うと、誰でも簡単に皮下注射できますhappy02
 
従来の治療でコントロール不良の重症アトピーでもTARCコントロールが可能になったことは素晴らしいことですhappy01
 
(院長)
 
*来週のセミナーのご紹介
紫外線療法の細かなテクニックを解説します。
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2019年5月13日 (月)

にきび治療はいつまで続けるのか?

 
連休が終わって怒涛の外来が続き、
 
土曜日などは、午前中だけで240人の患者さんが来院されましたwobbly
 
私もくたくたwobblyでしたが、患者さんも待ち時間が長くて大変だったと思います。
 
今週は、もう少し落ち着いてくると思います。
 
下写真は、土曜日診療後に撮ったクリニックの玄関です。青紅葉がかなり茂ってきました。夏はもう直ぐですねhappy02
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ところで最近、しばらくざ瘡にきび)治療を中断されていた方が何人か再診されました。
 
大部分の方が萎縮性瘢痕(永久に残るにきび痕)をすでに起こしていましたcrying
 
にきびは3ヶ月放置すると、その8.2%は萎縮性瘢痕になります[1]
 
萎縮性瘢痕は完治が難しいのですshock
 
ただし、それ以上の被害を食い止めるためにも治療を再開継続することは非常に大切です。
 
にきびは慢性持続性の疾患です。中断すると再燃し、萎縮性瘢痕リスクが高まります。
 
できるかぎり継続して綺麗な状態を維持することをお勧めしますwink
 
継続は大変ですが、
 
にきび治療薬(特に過酸化ベンゾイル製剤)を塗り続けると、にきびだけでなくお肌そのものがどんどん綺麗になるという特典があります[2]
 
特に成人女性にきび患者さんにはお勧めですwink
 
どんな美容治療も敵わないと思うくらいですgood
 
にきび治療薬は、すごく素晴らしい美容液shineを使っているという感覚で塗りましょう。
 
もうやめる必要はありませんよねhappy02
 
 
(参考文献)
 
(1) Do TT et al: JAAD 2008; 58:603-608
(2) Dreno B et al: JDDG 2018; 24: 37-46.1185-94.
 
(院長)
 
萎縮性瘢痕のブログ:
 
にきび治療でお肌が綺麗になる話のブログ:

2019年4月27日 (土)

令和元年5月の土曜日の応援医師

土曜日の午前診は、応援医師による2診体制で行っています。
 
5月の土曜日午前診の応援医師は以下の通りです。
 
5月11日 八木医師
5月18日 桒井医師
5月25日 滝本医師(女性医師)
  
(院長) 
 

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